術後に腹壁壊死・腸管穿孔・感染性心筋炎を合併したアメーバ性虫垂炎の1例

  • 杉山 祐之
    厚生中央病院消化器病センター(外科) 東京医科大学消化器・小児外科学分野
  • 逢坂 由昭
    厚生中央病院消化器病センター(外科)
  • 加藤 文昭
    厚生中央病院消化器病センター(外科)
  • 河北 英明
    厚生中央病院消化器病センター(外科)
  • 櫻井 徹
    厚生中央病院消化器病センター(外科)
  • 土田 明彦
    東京医科大学消化器・小児外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Amebic Appendicitis with Abdominal Wall Necrosis, Intestinal Perforation, and Infectious Myocarditis after Surgery
  • ジュツゴ ニ フクヘキ エシ ・ チョウカン センコウ ・ カンセンセイ シンキンエン オ ガッペイ シタ アメーバセイ チュウスイエン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は48歳,女性.発熱・腹痛を主訴に前医を受診し,急性虫垂炎の診断にて当院へ紹介となる.保存的加療にて症状改善したが,食事開始後に再増悪したため緊急手術を施行した.虫垂は根部付近にて壊死・融解し膿瘍形成を認め,回腸が膿瘍腔へ穿破していた.盲腸部分切除・小腸部分切除・膿瘍ドレナージ術を施行した.術後の感染コントロールは極めて不良であり,腹壁壊死・盲腸穿孔・感染性心筋炎による急性心不全を合併しCCU管理となった.術後20病日にドレーン排液よりアメーバ虫体が確認されメトロニダゾール投与を開始したが,その後は炎症反応も速やかに改善し感染コントロールは良好となり,術後99病日目に退院となった.今回われわれは,急性虫垂炎の術後管理に難渋するも,赤痢アメーバ感染と判明後は抗アメーバ療法が著効し救命しえた症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.</p>

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参考文献 (8)*注記

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