喘息マネジメントにおけるdysfunctional breathingの重要性

  • 丸岡 秀一郎
    日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野 日本大学医学部附属板橋病院心療内科

書誌事項

タイトル別名
  • The Impact of Dysfunctional Breathing on the Management of Japanese Asthmatics
  • ゼンソク マネジメント ニ オケル dysfunctional breathing ノ ジュウヨウセイ

この論文をさがす

抄録

<p>Dysfunctional breathing(DB)は,呼吸困難感,胸部圧迫感などを呈する呼吸パターン異常の病態である.喘息に併存し,quality of lifeの低下,重症化に関与していることから,DBを早期診断し,治療介入することは,喘息マネジメントにおいて非常に重要である.DBをスクリーニングするナイメーヘン質問票(Nijmegen Questionnaire:NQ)は,さまざまな言語に翻訳され,世界的に活用されているが,日本語版ナイメーヘン質問票(JNQ)はなく,本邦の喘息患者におけるDBの臨床的検証がなされていない.そこで,原著者の承諾を得て,JNQを作成し,喘息診療に活用しうる信頼性,妥当性の有無を検証した.喘息患者68人(平均年齢52.04±12.43歳)からJNQおよびACT(喘息コントロールテスト),ACQ(喘息のコントロール状態評価尺度),mini AQLQ(喘息患者のQOL評価尺度),PHQ-9(うつの評価尺度)などの質問票に対する回答を得た.JNQとmini AQLQとの相関解析では有意な負の相関を,PHQ-9とは正の相関を認めた.また,DB群(JNQ 23点以上),非DB群(JNQ 23点未満)における比較検定では,mini AQLQ,PHQ-9での有意差が認められた.JNQは本邦喘息患者におけるDBの評価に有用であることが証明された.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (2), 151-155, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ