要介護・要支援認定における医学的評価の在り方 : 主治医意見書を中心とした制度設計過程の分析

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Medical Evaluation in the Certification of Long-term Care and Support Needs : An Analysis of the System Design Process with A Focus on the Family Doctor Opinion Documents
  • ヨウカイゴ ヨウシエン ニンテイ ニ オケル イガクテキ ヒョウカ ノ アリカタ シュジイ イケンショ ヲ チュウシン ト シタ セイド セッケイ カテイ ノ ブンセキ
  • ヨウカイゴ ・ ヨウ シエン ニンテイ ニ オケル イガクテキ ヒョウカ ノ アリカタ : シュジイ イケンショ オ チュウシン ト シタ セイド セッケイ カテイ ノ ブンセキ

この論文をさがす

抄録

2000年4月の介護保険制度創設にあたり、1999年10月に開始された要介護・要支援認定制度において重要な役割を果たしている主治医意見書の運用方法が立案・決定された過程(制度設計過程)を検証した。より具体的には、高齢者の疾患が多様化し総合的な評価体系が求められる中、領域別専門医が記載した単一の主治医意見書に基づいて認定審査を行うという運用方法がなぜ、どのように構築されたのかという問いに答えようとした。本研究の結論として、制度設計過程において主治医意見書の実用性が重視されたと同時に、介護と医療の適用範囲を巡る対立と調整の中で日本医師会の意向が強く反映された結果、一人の医師(主治医)の意見の重要性を確立する現行体制が構築されたことが明らかになった。その主治医意見書の制度設計過程における問題点としては、議論の多様性の担保や円滑な制度運用に向けた基盤の構築、柔軟な見直しを可能にする仕組みが不足していた。要介護・要支援認定において高齢者の健康状態をより適切に把握する仕組みについては、複数の医師の意見に基づく俯瞰的・客観的な医学的評価が必要であると考えられる。

収録刊行物

  • Co*Design

    Co*Design 11 155-179, 2022-02-28

    大阪大学COデザインセンター

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ