大学史の一側面 : 法政大学の教授陣と「カント・コレクション」

書誌事項

タイトル別名
  • One Aspect of University History : Professors of Hosei University and the “Kant Collection”
  • ダイガクシ ノ イチソクメン : ホウセイ ダイガク ノ キョウジュジン ト 「 カント ・ コレクション 」

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抄録

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筆者は、法政大学文学部の教授陣が日本におけるカント哲学研究に果たしてきた重要な役割を解明する。第一に、明治・大正・昭和・平成・令和の時代を通じて、法政大学の教授たちは、カント哲学の翻訳・受容・研究等の諸領域で精力的に活躍し、カント哲学の研究に重要な役割を果たしてきた。そこで筆者は、本論文でこれらの主要な研究成果を紹介する。第二に、筆者が法政大学を退職した時に、筆者は「カント・コレクション」を「HOSEIミュージアム」に寄贈した。そこでこの機会に、カントの胸像のレプリカ、記念硬貨、そしてカントの原典及び研究文献等、本コレクションの主要な資料を紹介する。第三に、本論考では、法政大学の教授陣と岩波書店とのカント哲学研究書の出版上の関係を明らかにする。本学の教授陣は、西洋哲学に関する翻訳書及び研究書の出版について、今日まで岩波書店との密接な関係をもっている。特に、本学文学部の創立に貢献した夏目漱石門下の教授たちは、岩波書店から刊行された多数の書物により、カント哲学に関する入門書、翻訳書、研究書等の出版活動に貢献した。また、法政大学出版局の看板シリーズ「叢書 ウニべルシタス」の研究教育上の業績も紹介する。最後に、筆者は、文学部の教授陣が法政大学憲章の理念「自由を生き抜く実践知」にも関連する平和研究の活動の歴史的経緯についても明らかにする。

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