茨城県南部の水田内におけるイネカメムシの発生消長

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タイトル別名
  • Seasonal Prevalence of <i>Lagynotomus elongatus</i> at Paddy Fields in Southern Part of Ibaraki Prefecture

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説明

<p>イネカメムシは,茨城県におけるイネの重要な害虫であったが,1970年代後半以降急激に減少し,その後は生息もほぼ確認されていなかった。しかし,2010年以降増加傾向にあり,特に南部においてその傾向は顕著である。そこで2018年および2019年の2年間,茨城県南部の水田内における本種の発生消長をすくい取りおよび粘着トラップにより調査した。その結果,出穂が7月中~下旬の「一番星」の圃場では出穂直後から越冬世代成虫と考えられる個体が確認された。さらにその1~2週間後に幼虫の発生もみられた。一方,出穂が7月下旬~8月上旬の「コシヒカリ」の圃場では出穂前から成虫が確認された。幼虫は出穂とほぼ同時期に捕獲された。また,これらの幼虫のうちの一部は第1世代成虫になったと考えられた。実際,8月下旬には第1世代成虫と考えられる個体が多く発生し,ピークが認められた圃場もあった。出穂が8月中旬の「ゆめひたち」および出穂が同時期となる作型の「コシヒカリ」の圃場では,出穂前から成虫が確認され,これら成虫の多くは第1世代成虫と思われた。幼虫は出穂直後から捕獲され,その一部は9月中旬以降に第2世代成虫として羽化した可能性があると考えられた。また,これまで本種のトラップによる調査法はなかったが,今回の調査により成虫のモニタリング法として粘着トラップの有用性を確認できた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854717575418496
  • DOI
    10.11337/ktpps.67.39
  • ISSN
    18842879
    13471899
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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