日本語の母音間における撥音と母音の音韻的対立と音声的実現の曖昧さ : 日本語母語話者と韓国語を母語とする日本語学習者との比較から

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タイトル別名
  • Phonological contrast and ambiguity of phonetic realization between the Japanese moraic-nasal and the vowel : A comparison between Japanese native speakers and Korean learners of Japanese
  • ニホンゴ ノ ボイン カン ニ オケル ハツオン ト ボイン ノ オンインテキ タイリツ ト オンセイテキ ジツゲン ノ アイマイサ ニホンゴ ボゴ ワシャ ト カンコクゴ ヲ ボゴ ト スル ニホンゴ ガクシュウシャ トノ ヒカク カラ
  • ニホンゴ ノ ボイン カン ニ オケル ハツオン ト ボイン ノ オンインテキ タイリツ ト オンセイテキ ジツゲン ノ アイマイサ : ニホンゴ ボゴワシャ ト カンコクゴ オ ボゴ ト スル ニホンゴ ガクシュウシャ ト ノ ヒカク カラ

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学術論文

本稿では、前回(韓 2021)に続き、日本語母語話者と学習者が、語中に「撥音+ 母音」と「母音+ 母音」を含むテスト語(五千円、ご声援)の3モーラ目の判断をどのように行っているかについて検討した。日本語母語話者は、2 つのテスト語のいずれに対する知覚判断においても学習者よりも撥音と判断する回数が多く、母音と判断する回数は少なかった。この結果は、調音器官の狭窄が強ければ撥音として認知されやすいものの、むしろ狭窄が緩い母音に近い音声の方が母音間において自然だと感じられるという点で、川上 (1987) の見解を支持するものである。一方、初級学習者は、撥音の知覚においても韓国語と同様に閉鎖鼻音として明確に生成されているかどうかに注目し、閉鎖が明確ではない撥音の音声を撥音として判断しない傾向があった。また、上級学習者は、調査した3 群のうち最も正答率が高かったものの、母音間での撥音の自由異音としての母音の容認度は、日本語母語話者の容認度に達していなかった。

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