診断に難渋した小児鞍上部のう胞性病変の1例

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  • A case of suprasellar cystic lesion difficult to diagnose

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抄録

<p>12歳男児.視野検査で両耳側半盲を認め,画像検査で鞍上部腫瘍を認めたために当院紹介となった.腫瘍はのう胞性病変であり石灰化は認めなかった.視野異常があり下垂体前葉機能低下もあることより内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術を施行した.トルコ鞍部硬膜を切開すると,キサントクロミックなのう胞内容液が勢いよく流出し,内部を観察するとのう胞壁には灰白色の軟らかい腫瘍を認めた.迅速病理結果は腺腫であった.下垂体茎を温存しながら可能な限り被膜外摘出を行い,肉眼的に腫瘍を全摘出した.最終診断はDensely granulated corticotoroph adenoma(silent subtype 1)であった.小児期における非機能性下垂体腺腫,その中でも非常にまれなsilent corticotroph adenomaであった症例を経験した.本症例は今後クッシング病に移行する可能性もあり,注意深く経過観察が必要である.</p>

収録刊行物

  • 小児の脳神経

    小児の脳神経 47 (1), 52-58, 2022

    一般社団法人 日本小児神経外科学会

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