管理栄養士による災害時の栄養支援活動について

  • 深澤 幸子
    保坂内科クリニック 日本栄養士会災害支援チームJDA‐DATリーダー
  • 山下 雅世
    鹿児島県大島支庁保健福祉環境部(名瀬保健所) 日本栄養士会災害支援チームJDA‐DATリーダー
  • 濱田 真里
    食べるのいろは 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 国際災害栄養情報センター 国際災害栄養研究室 日本栄養士会災害支援チームJDA‐DATリーダー
  • 笠岡(坪山) 宜代
    国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 国際災害栄養情報センター 国際災害栄養研究室 日本栄養士会災害支援チームJDA‐DATリーダー

Bibliographic Information

Other Title
  • ~食べることは生きること~

Description

 近年, わが国では, 大規模自然災害が頻発している. 1995年の阪神・淡路大震災では, ピーク時には約32万人もが長期間の避難生活を送り, 食事や健康の問題が生じた. 2011年の東日本大震災でも東北地方を中心に壊滅的な被害を受け, ピーク時には約47万人が避難生活を送り, 10年が経過した今もまだ仮設住宅での生活を送っている人がいる.<br>  東日本大震災では食事や栄養の問題が深刻化したことから, 行政栄養士の公的派遣, 日本栄養士会などからのボランティア派遣が全国規模で初めて行われ, 管理栄養士・栄養士が栄養支援活動を行った. その後, 全国的な活動を展開する日本栄養士会災害支援チーム (JDA‐DAT) が発足し, 関東東北豪雨災害や熊本地震などを経て活動実績を積んでいる.<br>  災害時の栄養・食生活支援には,さまざまな職種との連携が必要となる.管理栄養士・栄養士が発災初期に医療活動を行うことの必要性について認知が低い状況ではあるが,配慮が必要な避難者にとって,栄養・食事支援を早期から行うことは,健康状態の維持や慢性疾患悪化予防のために不可欠である.食べることは生きることであり,災害後の栄養・食事支援が避難者の生きる力になることを願う.

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