自己炎症性疾患と難聴

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タイトル別名
  • Sensorineural hearing loss associated with autoinflammatory diseases—Otological manifestations of DFNA34 and efficacy of the interleukin 1 receptor antagonist
  • ―DFNA34の臨床像とIL-1受容体拮抗薬の治療効果

抄録

<p>自己炎症性疾患とは,自然免疫系の自律的な活性化による炎症症状を呈する疾患群である.代表的な自己炎症性疾患であるクリオピリン関連周期熱症候群は,NLRP3遺伝子の機能獲得型変異による常染色体優性遺伝性疾患であり,高率に感音難聴を合併する.最近,我々は,非症候群性常染色体優性遺伝性難聴DFNA34の一家系の連鎖解析によりNLRP3遺伝子のミスセンス変異p.Arg918Glnを同定した.本家系の難聴は,10代後半以降に発症する緩徐進行性の高音障害型感音難聴であり,造影FLAIR-MRIにて蝸牛の造影効果を認めた.患者から採取・培養した末梢血単核細胞をリポ多糖で刺激すると,IL-1βの分泌亢進を認め,患者にIL-1受容体拮抗薬を投与すると,難聴が改善した.これらの結果より,p.Arg918GlnはNLRP3インフラマソームの活性化により,少なくとも早期には可逆性の感音難聴を引き起こすものと考えた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854717585327616
  • DOI
    10.11289/otoljpn.31.263
  • ISSN
    18841457
    09172025
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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