当科の EVAR 後 Late Open Conversion 症例の検討

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  • Late open conversion after EVAR

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抄録

2010年4月から2021年4月まで当院で腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR) 後にLate Open Conversion(LOC)を行った12例(他院EVAR2例を含む)について検討した.この 間の当院のEVAR数は234例で当院のLOC率は,4.3%(10/234例)であった.使用ステントグラフト (SG)はEndurant6例,Excluder4例,Zenith及びAFX各1例であった.EVAR前の大動脈径は57.5 ± 8.9mmで,EVARからLOCまでの期間は35.5± 21.6カ月で,LOC前の大動脈径は65.3± 13.5mmで あった.LOCの理由は,1例はmigrationによる瘤の拡大,10例がエンドリーク(EL)による瘤の拡 大で,2例は感染(うち1例は大動脈瘤・十二指腸瘻)であった.手術は全例開腹下に行い,瘤縫 縮術及び大動脈瘤頸部絞扼術(ネックバンディング)を9例に行った.migration の1例は,腎動脈 下でSGを抜去後,SG胴部を切断し,中枢側は自己大動脈とY型人工血管を吻合,末梢はSG脚内で 人工血管をベアステントで固定した.感染例では,1例に瘤縫縮術及びネックバンディングと大網 充填術を,大動脈瘤・十二指腸瘻では,瘤内の血栓除去・デブリドメントと瘻孔部及びSG周囲の大 網充填術と瘤縫縮術を行った.ELが原因の9例では,LOC後7例が瘤縮小を認めたが,1例は不変, 1例は軽度拡大を認めた.当科では基本的にSGを温存し,瘤縫縮術とネックバンディングを行った が,術後も厳重な経過観察が必要と考えられた.

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