若者にとっての「病む」こと : 「“メンヘラ”当事者」としての女子学生たちの語り

書誌事項

タイトル別名
  • “Yamu” (falling ill) for the youth : a “menhera” narrative by female students
  • ワカモノ ニ トッテ ノ 「 ヤム 」 コト : 「"メンヘラ"トウジシャ 」 ト シテ ノ ジョシ ガクセイ タチ ノ カタリ

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説明

本研究では自身を「メンヘラ」という語によって理解しようとしている学生にインタビュー調査を行い、彼女たちが自身のどのような経験を「メンヘラ」として語っているのか、そこで語られる「病む」こととは何かを検討した。協力者たちの語りからは、相手と“繋がりたいのに繋がれない”ことによる傷つき、そのような傷つきを抱えた中で感情にまかせて取ってしまう“行き過ぎた”行動が、「メンヘラ」として表現される「病む」ことであるとの示唆が得られた。先行研究においては「メンヘラ」等の語を用いてセルフ・ラベリングを行うことの否定的な側面が強調されているが、本研究では、困難や生きづらさを抱えた際に「メンヘラ」という視点が、自身を見つめ直す契機となることも示された。このような両義性を踏まえた上で、人々が自らの「病む」経験を語るため利用している「メンヘラ」のような言説と向き合っていくことには、臨床的にも意義があると思われた。

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