インフルエンザ予防接種意図におけるフレーミング効果の検討

抄録

<p>日本におけるインフルエンザ予防接種の13歳から65歳の接種率は,小児や高齢者に比較し低い水準にあり,接種率向上のための取り組みが必要であると思われる。本研究はインフルエンザ予防接種行動の促進に有効な情報提供の方法を明らかにするために,健康行動に対するフレーミング効果について検討することを目的とした。インフルエンザ予防接種を受けることのメリットを強調した動画(利得フレーム)と受けないことのデメリットを強調した動画(喪失フレーム)の2種を作成し,視聴後にインフルエンザ予防接種意図の程度を測定した。併せて,インフルエンザ予防接種意図に関連する要因として,インフルエンザ予防接種に対する態度を測定した。高校生236名を対象に(利得フレーム117名,喪失フレーム119名)実施したところ,視聴動画の違いによる予防接種意図の程度に有意な差は認められなかった。インフルエンザ予防接種意図には,予防接種の有効性と感染の可能性,負担感が有意に関連したが,重症化には関連はみられなかった。COVID-19の感染拡大下に実施されたため,本結果にはCOVID-19に対する態度や感情が影響していることが推測された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ