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- 内田 照久
- 大学入試センター・研究開発部
説明
<p>私たちは,ささやき声のように,音声中にアクセントやイントネーションが存在しなくても,相手が何と言っているのかを聴き取ることができる。そこで,白色雑音を材料にして,通常音声の音色に相当するスペクトル包絡の形状を移し変えて,動的に変動する雑音を生成した。それは雑音でできている音なのに,人のささやき声に聞こえてしまうことから,錯聴現象として「声色の輪郭:—シルエットのささやき—」という作品にまとめた。さらにその手法を発展させて,通常音声をささやき声に変換する方法として,Phantom Silhouette方式を提案した。この方式の中核は,(1)スペクトルの低域抑圧と,(2)雑音駆動による音声全体の無声化である。これを音声のファントム化と呼ぶ。このファントム化に先立って,通常音声のスペクトルにささやき声の特徴を付与するため,(3)F1・F2フォルマントの上方シフトと,(4)スペクトルの高域成分の補填を行う。これをスペクトルのシルエット補正と呼ぶ。聴覚実験で主観評価を行ったところ,聴感上のささやき声らしさが実現できていた。なお,音声の自然性の改善が課題である。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PI-001-PI-001, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717726442752
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可