Abstract
<p>芸術療法では描画作業に関して,自由に描画をする,決められたモチーフを描くと不安の低減が認められる可能性を示唆した研究がある。しかし,描画作業は絵を描くことが不得手な場合には敷居が高いため,本研究における線画作成とは,参加者の描画技術に関わらず薄い灰色の線をなぞることにより図柄を完成することと定義した。その線画作成前後の体調と気分の変化を明らかにすることを目的とし,実験を行った(n=33)。人,花,風景が薄い線で描かれているA4線画用紙を全3枚配布し,その3枚から1枚を選択後,黒サインペンによって線上をなぞってもらい,なぞる前後の気分や体調について回答を求めた。結果は,線画作成前後で比較すると,体調の平均は0.09下がり,気分の平均は0.07上昇した。また,図柄の相違に関する体調と気分への影響は,体調に関しては,風景図柄は,線画作成後の体調の平均値が有意に減少した。気分に関しては,花図柄作成後の平均値が有意に上昇し,人間図柄の平均値はやや減少した。以上により,線画を作成することが体調や気分に影響を与え,選択した線画の図柄の違いで体調や気分に対する影響が異なる可能性が示唆された。</p>
Journal
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- The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association
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The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association 85 (0), PI-050-PI-050, 2021
The Japanese Psychological Association
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717726449408
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- ISSN
- 24337609
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed