抄録
<p>現代の日本社会では,女性は職場などで化粧を強要されることがあり,化粧をしたくないのにしている女性も少なからずいる一方で,男性が化粧をすることに対しては否定的な人も多い(山下・矢野,2019)。昨年度は,男性も女性も,性差観(男らしさ,女らしさ)を肯定する人ほど女性に化粧を義務づける一方で,男性の化粧を容認しないという調査結果を報告した(山下・矢野,2020)。これまでの調査の対象者は,女性の場合はとんどの人が日常的に化粧をしている一方,化粧すると回答した男性は1名しかいなかった。本研究では,化粧をする男性の性差観や化粧に対する意識を調べた。日常的に化粧をする男性31名(学生13名,社会人18名)から回答が得られ,これまでの調査対象者のどの群(男女×学生,社会人)よりも有意に性差観が弱いことが示された。また,化粧する理由を過去の女性の回答と比較した結果,女性は身だしなみが主な理由であったのに対し,男性の場合はストレス解消や自分に自信が持てるなどの理由が主要であった。性別を問わず,化粧する/しない自由が得られ,楽しく化粧ができる社会にするには,性差観から解放される必要があると考える。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PS-010-PS-010, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717730678400
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可