Abstract
<p>暗黙理論に関するこれまでの研究では,特性の成長可能性について増大的な信念を持つことが精神健康を向上させ,特に不安や感情に関する信念においてその影響が顕著となることが示唆されてきた。しかしながら,これらの研究は非欧米圏において殆ど行われておらず,暗黙理論とコーピングの関係についての検討が不十分であり,精神健康上の主要な先行要因であるストレッサーの影響を統制していない。そこで,本研究では,新たにストレッサー量の統制を行ったうえで,国内において暗黙理論が精神健康とコーピングに及ぼす影響について検討を行った。研究1では218人の大学生,研究2では319人の社会人に対して調査を行い,4種の暗黙理論,ストレッサー量,特性不安,ストレス反応,コーピング頻度などを測定した。その結果,1)4種の暗黙理論を測定する項目はそれぞれ4因子に分かれること,2)不安と感情の暗黙理論が精神健康を予測する主な要因であること,3)暗黙理論とコーピングの間には弱い影響しか見られないことなどが概ね共通して確認された。最後に,これらの知見がもたらす学術的意義と応用的意義についてそれぞれ議論した。</p>
Journal
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- The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association
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The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association 85 (0), PC-140-PC-140, 2021
The Japanese Psychological Association
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717738813440
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- ISSN
- 24337609
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed