抄録
<p>旅行には,さまざまな心理的効果があり,多くの人が楽しみたい余暇活動であることが報告されている。ところが旅行と日常の余暇活動との比較はほとんど行われてきていない。それゆえ本研究では,旅行と日常の余暇活動を取り上げ,リカバリー経験がwell-beingに及ぼす影響を検討した。冬季休暇の前後にオンライン質問紙調査を実施し,正社員339名から有効回答を得た。海外旅行群,国内旅行群,日常群の3群を抽出し,冬季休暇中の活動による違いを検討した。分析の結果,海外旅行および日頃の熟達とコントロールが冬季休暇前のwell-beingに正の影響を及ぼしていた。また,冬季休暇中のリラックスと熟達が冬季休暇後のwell-beingに正の影響を及ぼしていた。さらに熟達は,冬季休暇中に海外旅行に出かけた群においてのみ高くなり,休暇中に旅行に出かけなかった日常群では低くなることが明らかになった。ここから,リカバリー経験の中でも熟達が重要であり,特に海外旅行に出かけることで熟達が高まる可能性が示唆された。今後の研究では,熟達を促進する要因を検討することで,海外旅行との関連性についての理解を深めることができるだろう。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PQ-017-PQ-017, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717738868352
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可