職業選択に対する大学生の自己効力に親はどのような影響を与えるか?

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抄録

<p>大学生の職業選択における自己効力に,職業選択に対する親の考え・態度,親が仕事に取り組む姿勢,親の職業・仕事の社会的な条件・評価,大学生本人の望む職業・仕事の社会的な条件・評価の4つがどの程度影響するかを質問紙調査によって詳しく考察した。425人の大学生が調査に参加した。父親,母親のどちらを相談相手にするかを尋ねられ,日常的に相談相手にする親を想定して回答するよう求められた。上記4つについて尋ねる質問に答えた後,大学生が職業を選んでいく過程を最後までやり遂げる自信について尋ねる質問に答えた。共分散構造モデルを構成し分析した結果,親の仕事を親が家庭内で話題にすること,親が助言者としての立場に立つことが大学生の自己効力にとりわけ良い影響を与えることが示された。ただし,それらの影響の大きさは,大学生が将来つきたいと思う職場に望む社会的な評判が彼らの自己効力に及ぼす影響よりは小さかった。親の性別で分け,多母集団の同時分析を行ったところ,親の仕事を親が家庭で話題にすること,大学生が望む職場の評判は,母親が相談相手である大学生が顕著に有する傾向であることが分かった。また,助言者としての母親の存在が大学生の自己効力により大きな影響を及ぼす可能性も示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854717761638528
  • DOI
    10.20654/hps.44.0_1
  • ISSN
    21897670
    09182756
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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