レジンコアシステム応用のコンポジットレジン直接修復に おける接着実態

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  • Actual adhesion state of direct resin composite restoration applied with resin core system

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抄録

本研究の目的は,レジンコアシステム応用のコンポジットレジン直接修復における接着実態を明らかにすることで あった.ヒト抜去下顎第一大臼歯 60 本に対し,規格化 2 級型 MO コア窩洞を形成した.窩壁に対する前処理後に髄 腔部分へのコア用レジン填入を Clearfil DC Bond + DC core Automix (DC)または Clearfil Bond SE ONE + DC core Automix ONE (SE)で行った.その後,歯冠部を Clearfil AP-X を用いて修復した.修復試料は 2 グループ (n=15);動的荷重ストレス負荷群(S+群)と非負荷群(S-群)とに区分した.S+群に対しては,37℃水中で動的 荷重(16.0 kgf × 3 × 105 回)を負荷した.S-群に対しては,負荷しなかった.それら試料は規格化ビーム状試料に 調整し,4 つの窩洞内象牙質窩壁,すなわち歯肉側窩壁(G),髄床底窩壁(P),歯冠部軸側窩壁(CA)および髄腔 軸側窩壁(PA)に対する微小引張接着強さ(μ-TBS)値を測定した.データは,分散分析とワイブル分析によって 検討した.G 壁のμ-TBS は,DC(S-)の P に対する値を除き,動的荷重ストレスならびにレジンコアシステムの如 何にかかわらず,他の象牙質窩壁値より有意に高かった.動的荷重ストレスは,P に対するμ-TBS のみに有意な影 響を与えた.G のワイブル係数は,動的荷重ストレスならびにレジンコアシステムの如何にかかわらず,他の窩壁の 値に比べ有意に大きかった.累積破壊確率 10%・90% レベルの両方において,4 種象牙質面の接着は,レジンコアシ ステムにかかわらず,接着破壊に必要な応力が動的荷重ストレスによって減少する傾向を示した.

収録刊行物

  • 接着歯学

    接着歯学 31 (4), 175-190, 2013

    一般社団法人 日本接着歯学会

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