不耕起栽培と人工マクロポア導入が石垣島サトウキビ畑における土壌保水と有機物蓄積へ与える効果

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タイトル別名
  • Artificial macropore installation and no-tillage practice in subtropical sugarcane field to conserve water and organic matter in soils
  • フコウキサイバイ ト ジンコウ マクロポア ドウニュウ ガ イシガキジマ サトウキビバタケ ニ オケル ドジョウ ホスイ ト ユウキブツ チクセキ エ アタエル コウカ

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抄録

石垣島サトウキビ畑では,強い雨が降り,表面流出とそれに続く土壌流亡が発生している.そこで不耕起栽培また人工マクロポアを施し,土壌水分と有機物の増減に与える効果を評価した.人工マクロポアを1 m間隔で設置し,垂直浸透を促進した.また,強い降雨から表層土壌を保護するために,植物残渣を利用した不耕起栽培を行った.不耕起栽培と慣行耕起栽培にマクロポア区と無処理区(NT-M,NT-X,CT-M,CT-X)をそれぞれ設け,降雨量,表面流出量,土壌流亡量,土壌水分,土壌全炭素量を測定した.各プロファイルの平均土壌水分は,NT-MがCT-Xより多くの水分を保持しており(p < 0.01),マクロポアの設置でCT-MはNT-Xに近い水分になった.土壌断面における全炭素の変動は,NT-Xでほぼゼロ,CT-M,CT-Xで減少したが,NT-Mでは+0.45 t-C・ha-1・yr-1の増加が見られた.つまり,マクロポアと不耕起を組み合わせると,熱帯気候であっても水分を保持し,土壌中の全炭素量が増加する可能性を示した.

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