6年生理科の『呼吸』の実験観察における無脊椎動物の利用

書誌事項

タイトル別名
  • Utilization of Invertebrates in Breathing Experiment and Observation for the Sixth-grade-science

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説明

<p>本研究では児童が,口や鼻などが不明瞭な無脊椎動物でも呼吸していることを知り,肺呼吸だけが呼吸ではないことを理解できるように,無脊椎動物の二酸化炭素の排出を確かめる生徒実験を工夫した.ナメクジ(Incilaria fruhstorferi)を材料に,口以外の部分でのBTB溶液の反応により,呼吸器官が口ではないことを示すことができた.また,その反応が粘液で固定され,結果が保存されることがわかった.水と陸の境界に生息するサワガニ(Geothelphusa dehaani)のような動物が,二酸化炭素を水中と空気中のどちらに排出しているかを一度に調べる方法を開発した.ミミズ(フトミミズPheretima communissima)がもがく様子から空気を欲していることを児童に視覚的に示すことができた.魚とまったく異なった形態で,「呼吸していない」と児童が思い込む可能性の高いアサリ(Tapes japonica)の二酸化炭素の放出を魚類の場合と同じ簡単な方法で確認することができた.</p><p>これらの無脊椎動物の実験を哺乳類と魚類の実験に加えて行うことで,呼吸が動物に共通のものと理解が深まる学習効果が得られた.</p>

収録刊行物

  • 生物教育

    生物教育 39 (1), 21-28, 1998

    一般社団法人 日本生物教育学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854717892866176
  • DOI
    10.24718/jjbe.39.1_21
  • ISSN
    24341916
    0287119X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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