国際看護学に関する教科書の構成要素の分析

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  • Analysis of elements on international nursing textbooks in Japan
  • コクサイ カンゴガク ニ カンスル キョウカショ ノ コウセイ ヨウソ ノ ブンセキ

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抄録

目的 <br>1996年の保健師助産師看護師学校養成所指定規則改定では初めて国際看護教育の必要性が示された。本研究では1996年以降に国際看護(学)の教科書として使用されることを念頭に刊行されたと考えられる書籍の構成要素を明らかにし、内容の標準化への示唆を得る。<br> 方法<br> 「国際看護」をキーワードに国立国会図書館のホームページ上で蔵書検索を行い、さらにこれを補完するためにインターネットで書籍を販売するAmazonのホームページにて書籍を検索したところ20冊が該当した。分析は、対象書籍の目次の記載内容を要素として、要素を教科書の構成として使われている「目的」「対象」「方法」の3つに分けて分類した。分類後さらにそれぞれの要素について質的帰納的に意味内容の類似性に沿ってカテゴリに分類した。<br> 結果 <br>対象書籍の最初の出版は1999年であり、2001年以降に19冊が発行されていた。国際看護について単独の内容で編集されているのは14冊であり、2冊は国際看護と災害看護、4冊は国際看護と国際保健の内容であった。「目的」は、【国際看護学の定義、概念、必要性】【国際化(グローバル化)と看護】【国際看護の場と対象】【国際保健の定義、概念、必要性】【異文化理解、異文化看護、多文化共生】【国際看護、国際保健の歴史】の6カテゴリ、「対象」は、【在日(在留)、訪日外国人に関すること】【海外在留邦人、在外日本人に関すること】【母子保健やリプロダクティブ・ヘルス、ジェンダーに関すること】【感染症】【非感染性疾患(NCDs)】【貧困と格差】【世界共通の目標(MDGs、SDGs、UHC)】【外国人看護師に関すること】等の12カテゴリ、「方法」においては、【国際保健・看護の活躍の場 (国、ODA、JICA、民間、国際機関、ICN等)】【国際看護に必要な能力・役割・資質・人材像】【国際看護や国際協力で用いられる手法や理論】【異文化看護におけるアプローチ】【国際看護学・国際協力の方向と課題】の5カテゴリに分類された。多くの教科書で「在日外国人」「看護における活躍の場」「文化」に関することが取り上げられていた。<br> 考察 <br>国際看護(学)の構成要素は国際保健や国際協力も含めた広範囲な教授内容であった。また、筆者によってその内容には差があり様々な内容を教授していた。今後は、国際看護で教えるべき重要要素やその枠組みを整えていくことが必要である。

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