安保法制の「本質」

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  • On The Nature of new national security law
  • アンポホウセイノ「ホンシツ」

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抄録

2021年7月に麻生副総理,2021年12月に安倍元首相は,中台危機が発生すれば「存立危機事態」等の認定の可能性に言及した。彼らの発言,そして2016年11月の南スーダンへの自衛隊派遣や2017年4月の米艦防護が証明するのは,日本が攻撃されてもいないのに,政治家の判断で世界中での自衛隊の武力行使を可能にする「安保法制」の本質である。アジア・太平洋戦争では近隣諸国の民衆2000万人以上,日本国民310万人もの犠牲者が出た。政治家たちは兵士や市民には「国のために死ぬこと」を命じた。ところが戦争を起こした政治家等は,自分たちは危険になると「逃げた」。戦争は極めて悲惨で無責任な行為であることが明らかになった。そこで日本国憲法では徹底した「平和主義」が採用され,政治家等に戦争や武力行使を禁じている。日本国憲法の意義を踏まえれば,政治家の判断で世界中での自衛隊の武力行使等を可能にする「安保法制」は憲法的に正当化できない。

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