MMA 系レジンセメントへのナノフィラー添加がせん断疲労限度に及ぼす影響
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- タイトル別名
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- Influence of nanofiller loading level on shear bond strength fatigue limit of a MMA-based resin cement
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抄録
本研究は,methyl methacrylate(MMA)系レジンセメントのせん断接着強さ及びせん断疲労限度に対するナノフィ ラー添加レベルの影響を調査したものである.金銀パラジウム合金試料にアルミナサンドブラストを施し,貴金属用 プライマーにて処理した後,平均粒径7 nm の酸化ケイ素を0 wt%(R0),1 wt%(R1),3 wt%(R3),5 wt%(R5) の条件で4-methacryloyloxyethyl trimellitate anhydride/MMA モノマーに混和した.各々のモノマーをpolymethyl methacrylate(PMMA)及び重合開始剤と適量混和し,被着面積が規定された金属板へ接着させ,重合後にサーモサ イクリングを負荷してせん断接着強さを測定した.比較対照としては市販コンポジットレジンセメント(RelyX Unicem Clicker:RX)を用いた.せん断疲労限度はステアケース法にて算出した.各セメントを接着し重合後,せ ん断接着強さ用試料と同数のサーモサイクリングを負荷,更に10,000 回の繰り返し荷重(5 Hz)を載荷するせん断疲 労試験を実施した.但し,レジン試料が破壊もしくは剥離した場合はその時点で載荷を中断した.各条件の試料数は 最低15 個とした.結果,R3 とR5 のせん断接着強さはR0,R1,RX より有意に低く,R5 のせん断疲労限度は他の4 条件と比較して最も低いことが判明した.3 wt%以上のナノフィラーのMMA 系レジンモノマーへの添加は硬化体の せん断疲労限度の悪化を招くことが示された.
収録刊行物
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- 接着歯学
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接着歯学 33 (1), 1-5, 2015
一般社団法人 日本接着歯学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390854717938625920
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- ISSN
- 21859566
- 09131655
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可