戦争、疫病の中に生きる人間像 : ジョージ・A・バーミンガム、アルベール・カミュ、ガルシア・マルケス

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  • センソウ 、 エキビョウ ノ ナカ ニ イキル ニンゲンゾウ : ジョージ ・ A ・ バーミンガム 、 アルベール ・ カミュ 、 ガルシア ・ マルケス

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抄録

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2020年からの新型コロナウィルスの世界的蔓延に伴って古今東西の疫病を描いた文学作品がにわかに脚光を浴びるようになり、筆者は、北アイルランド出身の小説家ジョージ・A・バーミンガムの作品は、人間の新型コロナウィルスとの戦いを考えるうえで意義と価値を有しているのではないかという思いを抱いた。本稿は、第一次世界大戦を題材にしたバーミンガムの長編小説『蜘蛛の糸』(1915年)、従軍記『フランスの従軍司祭』(1918年)及び短編小説集『我らの犠牲者』(1919年)を取り上げ、疫病小説の名作であるアルベール・カミュ『ペスト』(1947年)、ガルシア・マルケス『コレラの時代の愛』(1985年)と 比較しつつ、戦争、疫病の中で人間が見せる本質を論じることにより、バーミンガムの作品が、これらの災禍を克服するうえで必要な「無言のヒロイズム」「地球規模的ナショナリズム」「ユーモア」をどのように体現しているかを検証し、バーミンガムの作品が有する現代的意義と価値を明らかにする。

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