九州大学農学部附属演習林宮崎演習林におけるブナ科樹木萎凋病の被害報告

書誌事項

タイトル別名
  • Takuma Nakamura: Damage report of Japanese oak wilt in Shiiba Research Forest, Kyushu University
  • キュウシュウ ダイガク ノウガクブ フゾク エンシュウリン ミヤザキ エンシュウリン ニ オケル ブナカ ジュモクイチョウビョウ ノ ヒガイ ホウコク

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説明

九州大学農学部附属演習林宮崎演習林において,カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)が媒介するブナ科樹木萎凋病(ナラ枯れ)の初年度被害状況を調査した。演習林内のブナ属を除いたブナ科樹木の18%がカシナガの被害を受けていた。樹種ごとの本数被害率はマテバシイが最も高かったが,被害木の枯死率はミズナラが最も高く,今後の森林生態系の著しい変化が懸念された。樹種ごと,樹木のDBHクラスごとの被害率の違いから,カシナガが樹種や樹木サイズを選別している可能性が示唆された。地理的には演習林の南側からカシナガが北上している可能性があり,まだ被害を受けていない北側の林分の今後の経過観察や,被害防除手法の検討・被害収束後の植生回復などに向けた取り組みが必要である。

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