日本における英語による授業のための能力開発プログラム(PD)と能力認定に関する教員の見解

書誌事項

タイトル別名
  • Faculty Perspectives on Professional Development and Certification for English-medium instruction Programs in Japan

この論文をさがす

説明

日本の高等教育において英語による授業(EMI)がより重要な役割を果たすようになるにつれ、教員および学生の第二言語を使って効果的に授業を行うための必要なサポートが不足しているという懸念が高まっている。本稿では、Macaroらが2020年に実施したEMI関連のプロフェッショナル・ディベロップメント(PD)に関する多国間調査をローカライズし、日本の市立、公立、国立大学のEMIプログラムを対象として、日本でEMIに従事する教員(n = 92)の経験、ニーズ、期待へのアンケートとインタビュー調査を実施した。回答者は、日本語を母国語とする人(40.2%)、英語を母国語とする人(31.5%)、その他の言語を母国語とする人(28.3%)とほぼ同率で、回答者の大半(73.6%)は人文・社会科学系の分野で教えており、ほとんど(83.7%)がEMIで5年以上の経験を持っていた。結果によると、英語で教えることは、日本語で授業を行う能力や、学術言語としての英語能力とは、異なる能力が必要であると教員は認識している。しかし、その能力を身につけるためのPD活動に参加したことのある者は全体の半数以下であった。回答者は、短期的で、言語能力ではなく教える技術に焦点を当てたものであれば、EMI関連のPDに前向きであるが、自分の能力を検証するシステムについては懐疑的である。回答者のニーズと期待は、EMIでの教育経験や母国語、学問によっても異なる。これらの結果から、EMI教員を支援するためのプログラムは、教員のニーズや関心、そして大学が置かれた状況およびプログラムの内容を明確に理解した上で開発すべきであると結論づける。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ