台湾の蒙藏委員会の史的考察:言説およびドキュメント分析を通じて

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タイトル別名
  • History, Discourse, and Document Analysis: Consideration of Methods for an Institutional History of the Mongolian and Tibetan Affairs Commission

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抄録

蒙藏委員会は1928年、チベット、モンゴル地方における行政の管轄を担う機関として中華民国政府によって北京で設立された。その後、1949年の政府移転とともに蒙藏委員会も台湾に移動し、2017年に解散するまでの68年間、台北で存在し続けた。その間、委員会によって作成されたモンゴル族とチベット族の人々と領土の関連史料は、中華民国政府による台湾国家造りにおいてモンゴル・チベット地方がどのように位置付けられてきたのかを検討する上で重要なデータを提供する。特に、中華民国の主権が台湾に限定されて発展してきたことを踏まえると、蒙藏委員会による史料は、政府が想像してきた国家とそのアイデンティティに対する、より深い理解に貢献するものである。本論文では、蒙藏委員会による史料の分析法の選択、その適用、およびその過程で研究者が直面してきた課題について考察する。まず、史料の分析において、ドキュメント分析法は文章の構造を理解し、蒙藏委員会の発展過程を読み取ることためには適切であるが、より広い社会的政治的文脈に当てはめて文章を分析するためには不十分であることを指摘する。一方で、批判論に基づくディスコース分析法は、歴史の構築過程を検討するために適している。そこで、研究者は蒙藏委員会によるディスコースの変遷において歴史的遺産が果たした役割について明らかにするために、批判的ディスコース分析法を用いることとする。

収録刊行物

  • 飛梅論集

    飛梅論集 22 1-18, 2022-03-18

    九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻教育学コース

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854882638704512
  • NII書誌ID
    AA11563736
  • DOI
    10.15017/4774247
  • HANDLE
    2324/4774247
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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