大腿骨転子部骨折に対しAnterior support screwの挿入を試みたが困難であった症例の検討

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抄録

<p>【背景】後外側の支持性を失った不安定型大腿骨転子部骨折に対しAnterior support screw(以下AS2)を挿入することで前方骨皮質の支持性を向上させることが報告されている.今回,AS2の挿入を試みたが,挿入が困難であった症例に関する検討を行った.【方法】当院において2017年9月から2021年2年に手術を行い,AS2の挿入を試みた後外側欠損型(CT中野分類3partB・4part)の大腿骨転子部骨折43例を対象に,骨折型や大腿骨頸部の径の太さなどをAS2挿入可能であった群と挿入不可能であった群で比較検討した.【結果】AS2挿入が可能であった症例は37例,困難であった症例は6例であった.骨折型はCT中野分類を用い,3partBが18例,4partが25例であった.2群間に身長・体重・健側頚体角に有意差は認めなかった.しかし,CT水平断で測定した大腿骨頸部の横径ではAS2挿入が困難であった群で有意に小さかった.【考察】Lagスクリュー刺入位置は両群間で有意な差を認めなかった.AS2挿入が困難であった群では,健側大腿骨頸部の横径が有意に小さいことが示された.そのような場合にはAS2挿入が困難となる可能性が高いことを考慮し術前計画を行う必要がある.</p>

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