非移植施設の立場から考える移植施設との連携

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抄録

<p>改正臓器移植法の施行と植込型補助人工心臓(VAD)実施施設の増加により、非心臓移植施設の一般循環器内科医にもVAD移植は特殊医療ではなくステージD心不全に対する標準治療の選択肢となった。</p><p>しかし移植登録患者数の増加と待機期間の長期化により、待機中の移植施設への定期受診は地方においては実施できていない例も多い。近年マージナルドナー心の提供率上昇により待機順位が下位でも移植に至る例の増加が報告されており、移植施設への定期的な患者の状況報告・情報共有は重要と考える。またドナー発生時に備えて事前に移植施設近隣へ転居・転院が必要なのかも確認しておく必要がある。</p><p>心移植後のフォローは、移植施設により差異があり、年に一度の心筋生検入院以外は紹介元の非移植施設で免疫抑制剤の調整含めてフォローされている例もあれば、移植施設と非移植施設で交互に併診されている例もある。急な顆粒球減少や(日和見)感染など有害事象発生時は、移植医療を専門としない一内科医のみでは判断が難しい。非移植施設の医師にとっては敷居が高く感じられるが、心臓移植研究会等へ参加し見聞を広める他、移植施設の医師・コーディネーターに日頃から相談できる関係であることが必要と考える。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s427-s427, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390854979927138176
  • DOI
    10.11386/jst.56.supplement_s427
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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