ラット小腸移植モデルを使った水素含有生理食塩水の管腔内投与による臓器保護効果の検討
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説明
<p>(背景)小腸グラフトの虚血再潅流障害は予後に影響するため最小限にする必要がある.最近,水素ガスは抗酸化作用・抗炎症作用を有することが示され,臓器保護の研究が行われている.(方法)LEWラットを用いて同所性小腸移植を行った.小腸グラフトの管腔に生理食塩水もしくは水素を含有させた生理食塩水(H2 3-4ppm)を充填させ,4℃生理食塩水中で冷保存した.6時間後に同系ラットに移植し,再灌流3時間後のグラフトを解析した.(結果)14日間生存率は生食群:30.8%(4/13),水素群:66.7%(8/12)と改善した.水素は腸管の病理学的変化,透過性亢進,炎症性サイトカインの産生を抑制し,上皮細胞間のタイトジャンクションを構成する蛋白の減少を抑制した.(結語)水素含有生理食塩水の管腔内投与は,小腸の虚血再灌流による臓器障害を抑制した.管腔からのアプローチは腸管に特異的であり,有効な治療戦略となる可能性がある.</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 56 (Supplement), s528-s528, 2021
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390854979933372416
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可