鍵盤楽器の変遷に伴うベートーヴェンのピアニズムの変化 : 《悲愴》と《ワルトシュタイン》を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in Beethoven's Pianism with the Transition of Keyboard Instruments : Focusing on Pathetic and Waldstein

抄録

ベートーヴェンが生きた18世紀後半から19世紀初頭は、鍵盤楽器が大きな変遷を遂げた時期と重なる。音楽家としてのキャリアをピアニストとしてスタートしたベートーヴェンにとり、ピアノの進歩と変化は、その創作活動に大きな影響を与え、楽器の特性は、作品と密接に結びついている。本研究では、ベートーヴェンの初期ピアノ作品の頂点とも言えるピアノ・ソナタ第8番《悲愴》と円熟期の代表作であるピアノ・ソナタ第21番《ワルトシュタイン》の比較を中心に、作曲時に使用された楽器が作品に与えた影響について考察する。前者はウィーン式アクションのピアノで作曲され、後者はイギリス式アクションのピアノで作曲された。音域、ダンパー解放の機構、タッチの重さ、音色などの違いが、ピアニズムにどのような変化を与えたのかを奏者の立場から解明し、現代のピアノで演奏する際の一助としたい。

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