医薬品 副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database:JADER)を利用した医薬品によるアナフィラキシー症例の解析

  • 杉崎 千鶴子
    国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
  • 佐藤 さくら
    国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
  • 柳田 紀之
    国立病院機構相模原病院小児科
  • 海老澤 元宏
    国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部

書誌事項

タイトル別名
  • ANALYSIS OF DRUG-INDUCED ANAPHYLAXIS CASES USING THE JAPANESE ADVERSE DRUG EVENT REPORT DATABASE
  • イヤクヒン フクサヨウ データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database : JADER)オ リヨウ シタ イヤクヒン ニ ヨル アナフィラキシー ショウレイ ノ カイセキ

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抄録

<p>【背景】医薬品はアナフィラキシー(以下,AN)の主な誘因の一つであるが,日本の全国的なデータベースを用いた医薬品ANに関する疫学調査の報告はない.</p><p>【目的】医薬品副作用データベース(Japanese Adverse Drug Event Report database:JADER)をもとに医薬品によるANの詳細を解析する.</p><p>【方法】2004年4月~2018年2月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ報告され,JADERに登録された医薬品による副作用が疑われた症例のうち,発生時期が2005年1月~2017年12月のAN症例を対象とした.薬効分類は日本標準商品分類を用いた.</p><p>【結果】解析対象は16916例で,そのうち死亡例は418例(2.5%)であった.AN症例及び死亡例の頻度は人口10万人あたり平均1.03例/年,平均0.03例/年で,AN症例ではX線造影剤を含む診断用薬(20.3%),血液製剤類を含む生物学的製剤(20.1%)の頻度が高く,死亡例では診断用薬(28.7%),抗生物質製剤(23.9%)の順であった.</p><p>【結語】わが国の13年間の医薬品AN及びAN死亡例の頻度に変化を認めなかった.薬効分類では診断用薬,生物学的製剤の頻度が高く,診断用薬,抗生物質製剤による死亡例が多いことが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 71 (3), 231-241, 2022

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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