経済的困難者における脳血管障害の特徴

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of cerebrovascular disease in patients with economic difficulty

この論文をさがす

抄録

<p>【背景および目的】近年,経済格差が大きくなり,貧困世帯の割合が増加している.今回私たちは,経済的困難者における脳血管障害の特徴について解析した.【方法】2014年から2018年までの5年間,当院に入院した脳血管障害816例を対象とした.生活保護受給者および無料低額診療利用者の計280名を経済的困難者群とし,残りを対照群とした.これらの症例の病型別割合・発症時年齢・男女比・入院前生活場所・自宅退院率・退院時mRSスコアを,経済的困難者群と対照群間で比較した.【結果】経済的困難者における脳血管障害の特徴は,1.男性患者の比率が高い(特に65歳未満),2.入院前は高率に独居,3.虚血性脳血管障害の平均発症時年齢が男女とも有意に低い,4.脳出血の退院時mRSスコアが増悪傾向,というものであった.【結論】経済的に困難な状況下では,虚血性脳血管障害はより若年で発症し,脳出血の重症度が高くなる傾向がみられた.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 44 (3), 243-251, 2022

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (22)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ