右室ストレインが有用であったCOVID-19罹患後の2例

  • 鳥居 裕太
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 香原 美咲
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 岡田 大司
    神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科
  • 菅沼 直生子
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 山本 剛
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 宮川 祥治
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 大畑 淳子
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 則政 文子
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 山本 駿
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 中原 千裕
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 長野 真弥
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 井川 彩加
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 松岡 京子
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 森元 加奈
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
  • 古川 裕
    神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Right Ventricular Dysfunction after COVID-19 Infection: Usefulness of Right Ventricular Strain

説明

<p>はじめに:COVID-19罹患後に右室機能障害を呈し,特に右室機能指標として右室ストレインが有用であった2例を経験したので報告する.</p><p>症例1:60代,女性.発熱,咳,味覚障害および呼吸困難感を自覚し,I型呼吸不全を伴うCOVID-19と診断され,入院した.第3病日に12誘導心電図検査で広範な陰性T波とQT時間の延長があり,臨床経過からたこつぼ症候群と診断された.第41病日の経胸壁心エコー図検査では,左室の局所壁運動異常は指摘されず,左室ストレイン値も正常(−20.9%)であったが,右室ストレイン値は低値(−12.5%)であり,右室機能障害が示唆された.</p><p>症例2:80代,女性.発熱および全身倦怠感を自覚し,COVID-19と診断された.加療により症状は改善し,第13病日に退院した.COVID-19罹患から第33病日に全身倦怠感および呼吸困難感を自覚し,胸部単純CT検査で両側肺野にすりガラス影と浸潤影を指摘された.COVID-19の再増悪が疑われ再入院した.入院当日の経胸壁心エコー図検査では,右室ストレイン値が低値(−14.7%)であり,右室機能障害が示唆された.肺高血圧を示唆する所見に加え,右室心尖部のみ壁運動が保たれるMcConnell’s signを呈していたことから,急性肺血栓塞栓症が疑われた.造影CT検査で,両側下肢静脈および両側肺動脈に欠損影を認め,静脈血栓塞栓症と診断された.</p><p>まとめ:COVID-19罹患後に右室機能障害を呈した2例を経験した.COVID-19に伴う合併症として右室機能障害があるため,経胸壁心エコー図検査施行時に左室機能評価に加え,右室機能を評価することが重要であり,特に右室ストレインが有用と考える.</p>

収録刊行物

  • 超音波検査技術

    超音波検査技術 47 (3), 260-267, 2022-06-01

    一般社団法人 日本超音波検査学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855190136323584
  • DOI
    10.11272/jss.350
  • ISSN
    18814514
    18814506
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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