十二指腸狭窄を初発症状とした乳頭部胆管癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Ampullary Cholangiocarcinoma with Dudodenal Stenosis as the Initial Manifestation
  • ジュウニシチョウ キョウサク オ ショハツ ショウジョウ ト シタ ニュウトウブタンカン ガン ノ 1レイ

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抄録

<p>十二指腸乳頭部癌は黄疸を初発症状とするものが多く,十二指腸狭窄で発症した報告は過去に認めない.今回,われわれは十二指腸狭窄で発症した十二指腸乳頭部癌の1例を経験した.症例は57歳の女性で,嘔吐のため当院を紹介受診した.各種検査において悪性所見を認めず,やがて十二指腸の完全閉塞をきたしたため入院となった.腹部造影CTでは,十二指腸粘膜下の肥厚および下行脚の狭窄を認めた.胆管や主膵管の拡張は認めなかった.悪性腫瘍の確定診断に至らず,十二指腸閉塞に対して胃空腸バイパス術を施行され,以後経過観察となっていたが術後2カ月より閉塞性黄疸を認め,再入院となった.複数回の生検や胆汁細胞診でも悪性所見は認めなかったが,悪性腫瘍の可能性を否定できず,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後の病理組織学的検査で乳頭部胆管を主座とする高分化腺癌を認め,免疫染色検査の結果と合わせ乳頭部胆管癌の診断となった.</p>

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