経気管切開孔アプローチにて気道異物を摘出した乳児例

DOI

この論文をさがす

抄録

<p> 小児の気道異物に対する検査・治療は硬性気管支鏡を用いることが多く、気管切開や開胸術まで至ることは稀である。症例は1歳4カ月男児。みかんを食べた直後に心肺停止となり当院に搬送された。気管挿管、アドレナリン投与により心拍再開。胸部CTで左主気管支に異物を認め、果実や薄皮による気管閉塞を疑ったが、呼吸状態は安定しており、心停止後の集中治療を優先した。第2病日、左肺の無気肺を認め、第3病日には突発的な酸素化と一回換気量の低下が出現した。ファイバースコープにて黄白色の異物を確認したが、頻回の酸素化低下をきたすため、硬性気管支鏡での経口的アプローチでは気道確保が困難と判断し、気管切開を先行し、気管孔から鉗子付き鼻咽頭ビデオスコープを用いてみかんの種を摘出した。経気管孔的アプロ―チは、気管支の観察・摘出処置において操作性が良く、異物除去の有意義な一選択肢となり得る。</p>

収録刊行物

  • 人工呼吸

    人工呼吸 39 (1), 63-67, 2022

    一般社団法人 日本呼吸療法医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ