治療に難渋した感染性漿液腫を伴うストーマ閉鎖創に対する局所持続吸引療法と陰圧閉鎖療法の工夫

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タイトル別名
  • Effective Combination of a Locally Closed-Drainage System and Negative Pressure Wound Therapy for a Wide Postoperative Infectious Seroma After Stoma Closure:A Case Report

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説明

<p>【背景】ストーマ閉鎖創周囲に広範な感染性漿液腫を発症した症例に対して、持続吸引療法から陰圧閉鎖療法へ移行して合併症なく上皮化を得た症例を経験したので報告する。</p><p>【症例】59歳男性、C型肝硬変の加療中。直腸癌に対するハルトマン手術後のストーマ閉鎖と腹壁瘢痕ヘルニア修復術を同時に行った。正中創周囲皮下の剥離範囲に皮下ドレーンを留置し、ストーマ閉鎖部は環状縫合の開放創とした。術後、皮下ドレーン留置部位とは別に、ストーマ閉鎖創周囲に広範な感染性漿液腫を生じた。環状縫合部から漿液腫内にドレーンを留置した上で局所持続吸引療法を開始した。ドレーンからの排液が消失した後に、ドレーンを滅菌スポンジに置換してNPWTへと移行したところ、術後30日目に上皮化して治癒した。</p><p>【考察と結論】ストーマ閉鎖創に漿液腫を合併した複雑な創部には、持続吸引療法からNPWTへ移行する本療法が有用と考えられ、本症例でも良好な創治癒が得られた。</p>

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