5.薬剤性肝障害動物モデルにおけるバイオマーカーとしての循環microRNA
-
- 織田 進吾
- 名古屋大学大学院医学系研究科
説明
医薬品開発において、目的に応じた様々なバイオマーカーがその質の向上及び意思決定に貢献している。これらのバイオマーカーには、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、イメージングなどが利用されている。肝毒性バイオマーカーには血漿/血清中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、ビリルビン(Bil)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)などがある。一般的にこれらバイオマーカーは臓器特異性が必ずしも高くなく、肝外病変に応じて変動するものも知られており、また臓器障害がある程度重篤になって初めて変動する。したがって、組織/臓器特異性及び疾患特異性の高いバイオマーカーは肝病変の早期発見・検出を可能とするだけでなく、毒性機序の推定に貢献する。microRNA(miRNA)は、組織特異的な発現を示し、血清及び血漿において比較的安定的に存在するため、新たなバイオマーカー分子として期待されている。本稿では、非臨床実験動物モデルにおける肝毒性を中心に、循環miRNAのバイオマーカー探索例を紹介する。
収録刊行物
-
- 谷本学校 毒性質問箱
-
谷本学校 毒性質問箱 2020 (22), 41-48, 2020-09-26
安全性評価研究会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390855267545464576
-
- ISSN
- 24365114
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可