シンクレティズム再定位―インド・シッキム州における民俗宗教の事例から―

DOI
  • 山岸 哲也
    東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Repositioning Syncretism: In and Through Folk Religion in Sikkim, India

抄録

<p>本論では、シンクレティズムを作業仮説として民俗宗教の文脈で再定位する。概念としてのシンクレティズムは、その曖昧さやその内容のぶれやその前提に対する批判が数多くなされてきた。本論では、これまで批判されてきたシンクレティズムという概念について、「雑種性は純粋性に先立つ」ことと「民俗宗教の混淆的な基盤」という議論からその可能性を論じ、新しい作業仮説としての内容とその前提を提示する。そのうえで、なぜ異なる宗教の併存が可能となっているのか、異なる宗教が併存しうる状況とはどのようなものなのかについて、先行研究で提示されているインド・シッキム州のティンチム地区における民俗宗教の事例をシンクレティズムとして捉え直して考察する。そして、「内部における複数性を保持する単一的なもの」という状況であるがゆえに併存が可能となるという考察を導くことで、シンクレティズム概念を改めて検討する。</p>

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 26 (0), 17-31, 2020-06-30

    「宗教と社会」学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855267551235456
  • DOI
    10.20594/religionandsociety.26.0_17
  • ISSN
    24241601
    13424726
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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