金属イオン付加体を用いた質量分析による脂質構造解析

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  • Unique Structural Information Obtained from Metal Adducts on Mass Spectrometry

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説明

<p>質量分析においてエレクトロスプレーイオン化(ESI)法は,汎用性の高いイオン化法の一つである。ESIの特徴の一つとして,イオン源において様々な付加体を形成しやすい点があり,一般的に[M +H],[M+NH4,[M+CH3COO]などが分析に用いられる。一方で,試料などを由来とする金属イオンも容易に目的化合物に配位し,[M+Na]や[M+K]などの金属イオン付加体を形成する。こうした金属イオンの配位はcation-π電子相互作用によるものと考えられ,配位箇所はHやNH4 などと異なる。加えて,金属イオンの配位によってもたらされる原子間距離や水素結合の変化もHやNH4 などによる変化とは異なり,それゆえ金属イオンに特徴的なフラグメンテーションが引き起こされる。興味深いことに金属イオンの種類によってもフラグメンテーションは異なり,本原理を用いたユニークな構造解析法がいくつか報告されている。本総説では先ず化合物と金属イオンの付加原理について述べ,次に金属イオン付加体を活用した脂質の構造解析例について紹介する。</p>

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 22 (6), 287-295, 2022

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (24)*注記

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