天然生針広混交林の択伐施業地における40年間の変化

DOI
  • 吉田 俊也
    北海道大学北方生物圏フィールド科学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Stand dynamics during 40-years under selection cutting in a natural mixed forest

抄録

<p>混交林を対象とした非皆伐施業を持続的に行うために長期的な影響評価が必要である。本報では、北海道大学中川研究林の照査法試験地の長期動態を記述する。この試験地(面積37ha)においては、1970年から全木調査をもとに回帰年10年の単木択伐が継続されてきた。初期20年を扱った前報(Yoshidaら 2006)では、択伐が、針葉樹の成長率・生残率に顕著な正の効果を与えるものの、新規加入率が高い広葉樹の遷移初期種が次第に増加していることを示していた。全体に減少傾向にあった林分蓄積は、30年時点では初期値まで回復していた。しかし、強風による攪乱を受け、その後の10年でとくに針葉樹(トドマツ)が激減した。広葉樹は、後半20年の期間、過去の伐採量に対する回復率をおおむね改善し、主要樹種の中ではとくにミズナラの値が高かった。また、新規加入率は、カンバ類をはじめとする広葉樹で高く、針葉樹では低かった。全体として、20-40年の期間においては、針葉樹の蓄積が減少に転じ、遷移初期種を主とする広葉樹の増加傾向がより明瞭となっていた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422503336704
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_358
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ