ハチ追いに関わるローカルルールの地域間比較

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タイトル別名
  • Regional differences of local rules related to wasp chasing

抄録

<p> 2010年代前半から世界的に昆虫食に注目が集まっているが、日本国内においては食だけでなく、採取においても地域ごとに伝統文化が育まれてきた。中部地方を中心に見られるクロスズメバチの採取(以下、ハチ追い)においては、地域ごとにルールが異なり、森林所有者や地域内の人、そして域外からの採取者の間で軋轢が生まれることもある。本研究では、ハチ追い時のローカルルールや「領有性」に関する意識を、参与観察を通じて把握し、地域間で比較した。調査対象地は岐阜県中津川市付知地区と愛知県豊田市石野地区とし、各ハチ追いグループのメンバーに聞き取りを行った。調査の結果から、各地域のハチ追いに際しての領有性への意識が異なることが明らかになった。領有性が低い付知では、ヒノキ伐採に従事する移住者を受け入れてきた歴史的要因が背景にあると考えられる。一方で、クロスズメバチの生育条件がよくない石野では、他地域にも足を延ばす必要があるという地理的要因が見られた。域内で完結しない採取が行われる石野のような場合には、ハチ追いグループ等によるルールの明文化や周知が必要となり、そのことが伝統文化を繋いていくことに貢献するであろう。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422503395328
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_72
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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