早池峰山のアカエゾマツ南限自生地における主要構成種の個体成長と動態

書誌事項

タイトル別名
  • Stand dynamics and individual growth of the relic <i>Picea glehnii</i> forest on Mt. Hayachine.

説明

<p> 早池峰山アイオン沢のアカエゾマツ自生南限地は氷期の遺存林であり、保全上、その動態を理解することが必要である。本研究では、主要構成種である針葉樹4種(アカエゾマツ、コメツガ、キタゴヨウ、ヒバ)を中心に21~23年間の成長と生存率を樹種間で比較した。調査区は1948年に発生した土石流跡地に更新した「更新林分」(1998年設定)と土石流を免れた「成熟林分」(2000年設定)の2ヵ所に設定した。更新林分では針葉樹4種ともに新規加入が多く、死亡率が低かった。また、調査区設定時には広葉樹が大半を占めていたが、2021年までに針葉樹の増加と広葉樹の衰退により針葉樹の優占度が高くなった。成熟林分では他樹種に比べてアカエゾマツの死亡率が低く、胸高断面積(BA)増加率が高い傾向にあった。また、調査区設定時には幹密度、BAともにコメツガが最も多かったが、2021年の調査でコメツガの死亡率が他樹種に比べて高く、BA減少率がBA増加率を上回り、枯損が進行していた。以上より土石流の攪乱によってアカエゾマツの稚樹が多数更新し、成熟するとともに他樹種より低い死亡率と高い成長率で優占するようになると推察される。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422511466496
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_146
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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