高濃度オゾン環境におけるシラカンバ葉の脂肪酸組成と虫害(予報)

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タイトル別名
  • Fatty acid composition of birch leaves and the grazing damage by leaf beetle at elevated ozone level (forecast).

抄録

<p>葉に含有される各種脂肪酸は、昆虫に対する餌資源のパラメーターであると同時に、短距離的な香気シグナルとしても機能している。しかし、これまで野外条件下でO3暴露をした場合の、実際の葉内脂肪酸の挙動は未評価であった。本試験では、シラカンバの葉に含まれる主要な脂肪酸(パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18:3))をGC-MSの評価対象とし、脂肪酸の季節変化及びO3暴露による影響を調査した。シラカンバの葉では、 春葉(5月→6月)、夏葉(6月→9月)ともに経時的に各種脂肪酸の含有量は減衰した。また、本試験の野外O3暴露(60~70ppm)では、春葉の展葉直後の5月 を除き、いずれの脂肪酸も対照区よりO3区で含有量がやや低い 傾向が認められた。 さらに、6月夏葉の明らかな脂肪酸増加に対して、対照区とO3処理区との差が経時的に小さくなる傾向にあり、O3暴露による光合成機能の低下や落葉の遅行化 など、O3暴露による間接的影響が要因であると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422519457408
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_20
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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