広葉樹植栽木への食害傾向は低木層の刈払いによって異なるのか

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タイトル別名
  • Do exposure of planted broadleaved seedling by shrub clearing after their

抄録

<p>人工林の部分伐採と植栽導入により広葉樹林化を図る場合、被圧および動物の食害による成長阻害が課題となる。低木層は植栽苗を被圧して苗の成長を抑制するが、一方でシカ食害から苗を保護する効果も予想される。そこで本研究では、低木層の刈払いにより露出した植栽木への食害を明らかにするため、2019年3月に苗木を植栽した広葉樹林化試験地で低木層の一部を2021年5月に刈払った。シカおよびノウサギが植栽木を採食した痕(食害痕)を測定し、刈払い区(低木層を刈払った区画)および保持区(低木層を保持した区画)で食害を比較した。刈払い前は、保持区および刈払い区間で食害率(食害を受けた個体の割合)および食害密度(高さ方向の着葉範囲1mあたりの食害痕数)に有意な差はなかった。刈払いの約2か月後(7月)の食害密度を両区間で比較したところ、ケヤキおよびハルニレでは有意差が認められずエノキおよびムクノキは刈払い区で食害密度が有意に大きかった。6か月後(11月)では、4種のすべての樹種で食害密度が刈払い区で有意に大きかった。以上の結果から、刈払いにより被圧は解除されたが、植栽苗が露出することで食害のリスクが上昇したと考えられる。</p>

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  • CRID
    1390855422519477120
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_325
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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