保持林業実証実験における枯死材性甲虫類の保持木に対する選好性
書誌事項
- タイトル別名
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- The preferences of saproxylic beetles for retained trees in the experiment of retention forestry
抄録
<p>保持林業とは、森林に存在する重要な構造や生息する生物を伐採後も長期にわたって維持する森林管理であり、生物多様性保全と木材生産との両立を可能とする手法として注目されている。日本国内においても、北海道のトドマツ人工林に侵入した広葉樹を伐採地に残す実証実験が行われ、保持林業は伐採直後の森林性種の減少を緩和する効果があることが実証されつつある。一方で、伐採地にどのような木を残すべきかという、保持木の選木基準を検討するための知見は限られている。</p><p>本研究では、保持林業の生物多様性保全効果を高めるためにはどのような木を残すべきかを検証することを目的とし、枯死材性甲虫の保持木に対する選好性を調査した。調査は2021年7月から9月にかけて行った。実験区とその周辺にて、6種の生立木(カンバ、ミズナラ、トドマツ、ヤチダモ、シナノキ、ホオノキ)と枯死木(カンバ)、コントロール(近くに保持木がない地点)をそれぞれ10~15本(箇所)選び、衝突板トラップを用いて枯死材性甲虫類を捕獲した。本発表ではこの調査結果をもとに、保持木の樹種や枯死の有無が、枯死材性甲虫群集に及ぼす影響についての解析結果を報告する。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 36-, 2022-05-30
日本森林学会