熱帯季節林での蒸発散は極端な高温・乾燥条件を経てどのように復旧するのか

DOI
  • 清水 貴範
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 壁谷 直記
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
  • 飯田 真一
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 玉井 幸治
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 清水 晃
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所

書誌事項

タイトル別名
  • How evapotranspiration in dry tropical forests is restored through extreme dry and hot conditions?

抄録

<p>カンボジア王国は1970年代から20年間続いた内戦のために、周辺の東南アジア諸国よりも国土の開発が遅れたことで、天然生の季節林が比較的多く残存していた。しかしながら、同国も近年は急速に経済発展を遂げており、それに伴って多くの森林が伐採され、商品作物の栽培などが盛んに行われるようになっている。このような状況下で、近年に頻度と激しさを増している気候変動の影響が、同国に残された貴重な天然生の熱帯季節林の生態にどのようなインパクトを及ぼすのかについて、継続的に調査を行ってきた。微気象学的な手法である乱流変動法による蒸発散量の観測は、常緑林で2009年から、落葉林では2012年から本格的に開始しており、機器の故障・劣化などによって度々欠測が生じたものの、現在まで観測を継続している。観測期間中では特に2015年から2016年の乾季に、スーパーエルニーニョによる強い乾燥・高温環境が発生したことで、常緑林・落葉林とも通常の年の乾季とは異なる熱収支の変動が観測された。本発表ではこの現象を改めて紹介するとともに、その後に森林の蒸発散がいつ回復に至ったのか、あるいは現在までその影響を残っているのかについて、観測値から検証を行う。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422519509120
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_545
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ