アカマツ根冠由来の細胞外トラップ(RETs)によるバクテリアの捕捉

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タイトル別名
  • Trapping of bacteria by root extracellular traps (RETs) of <i>Pinus densiflora</i>

抄録

<p> 植物の根冠から脱落する境界細胞や粘性滲出物(ムシゲル)などからなる構造は細胞外トラップ(root extracellular traps: RETs)と呼ばれ、土壌への貫入時の分裂組織の保護や、病原菌に対する防御機構などとして機能することが知られている。本研究では、外生菌根性樹木においてRETsが根圏に生息するバクテリアに及ぼす影響について明らかにすることを目的として、無菌的に発芽させたアカマツと、野外のアカマツ根圏および周辺土壌から単離した4属6株のバクテリアを用いた二員培養を行い、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)下でRETsに対する各バクテリア株の応答を観察した。その結果、ムシゲルと細胞外DNAのそれぞれに捕捉されるバクテリアが確認され、SEMにおいても網状の構造に捕捉される様子が観察された。また、各バクテリア株の懸濁液に浸漬した初生根におけるコロニー形成単位(CFU)を測定したところ、RETsを除去した処理区では除去しなかった対照区に比べてCFUが有意に減少する傾向が見られた。これらの結果から、アカマツのRETsはバクテリアの根圏への定着を促進することが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422519524736
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_629
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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