コナラの当年枝と幹のセシウム濃度の関係:幹サイズに依存するか?

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タイトル別名
  • Relationship of cesium concentration between current-year shoots and stems of <i>Quercus serrata</i>

抄録

<p>福島原発事故の影響を受けたコナラ等の幹をシイタケ原木として利用するためには、放射性セシウム濃度が指標値(50 Bq/kg)以下である必要があるため、その将来予測が重要な課題となっている。本研究では、原発事故後に植栽・更新したコナラの将来の幹の放射性セシウム濃度を現在の当年枝の放射性セシウム濃度から予測する手法を開発するため、セシウムの幹/当年枝濃度比とその幹サイズ依存性を調べた。事故後に萌芽更新した小径(約10 cm以下)の個体については放射性セシウム(137Cs)および安定セシウム(133Cs)を、事故前からある比較的大径(約10–30 cm)の個体は表面汚染の影響のない133Csのみを分析した。事故後更新木では137Csと133Csの幹/当年枝濃度比が同程度であることを確認できた。いずれも幹直径との間に明確な関係はなかった。また、事故前からある成木でも133Csの幹/当年枝濃度比は幹サイズ依存性を示さなかったが、事故後更新木よりも低いことがわかった。以上より、137Csの幹/当年枝濃度比は幹の肥大成長によっては低下しないが、幹の成熟によって低下する可能性があることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422519529344
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_671
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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